2018.3.6
, EurekAlert より:
食事から摂取するナトリウムが血圧に対してもたらす悪影響は、他の食物に含まれる栄養素によって軽減しないようだ、という国際共同研究。
研究チームは、国際共同研究(INTERMAP)に参加した、日本、中国、 英国、米国の男女4,680人(40-59歳)を対象とし、ナトリウムを含む80種類の栄養素(たんぱく質、脂肪、ビタミン、ミネラル、アミノ酸など)の摂取データを解析した。データには、ナトリウムおよびカリウムの尿中排泄濃度が含まれていた。
解析の結果、他の栄養素の摂取は、ナトリウムの血圧に対する有害な影響を低下させないことが明らかになった。
「主に、市販されている加工食品から日常的に過剰のナトリウムを摂取することは、高血圧症の発症に関連する重要な要素である」と共著者のエレミア・シュタムラー博士は述べている。「高血圧前症や高血圧症の蔓延が進んでおり、その予防と管理のために、食品中の塩分を大幅に減らす必要がある。」
米国人のナトリウム摂取量のおよそ3/4は、調理や食卓で使用する塩からではなく、加工されて包装された食品に由来するものであるという。米国心臓協会(AHA)は、成人に対して、食品からの1日の摂取量を、合計でティースプーン1杯の塩(ナトリウム2,300mg)に限るように推奨している。
「私たちは、ナトリウムの血圧上昇効果に影響をおよぼす他の栄養素の役割についての理解を進めているが、ナトリウムに重点を置くことが依然として重要である」と米国心臓協会のシェリル・アンダーソン博士は述べている。「米国人は、ナトリウム削減目標を達成できる食品を選ぶことを望んでいるため、レストランや包装食品の企業で、解決策を一部担うことが必要になる。」
米国心臓協会では、食品業界の指導者と有力者の協力を得て、食事の供給を改善する方法を特定し、ナトリウム削減キャンペーンを展開している。
出典は『高血圧』。 (論文要旨)
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