2018.2.28
, EurekAlert より:
より運動量を多くすることで糖尿病のリスクを低下させ、中国本土に在住する700万人の糖尿病患者を少なくすることが可能かも知れない、という中国、香港、台湾の研究。
余暇時間身体活動性(LTPA)のレベルが高くなると、例えばウォーキング、ジョギング、ランニングのような活動を行うように成ると、もともと糖尿病予備軍の人々の糖尿病罹患リスクを低下できる様だという。また低強度身体活動であってもこの様な作用は期待でき、健康改善や糖尿病リスク低下のために高齢者に対してとって行くべき手段の一つとして用いる事ができるようだ。バーミンガム大学の研究者らが報告している。
研究者らによれば、中国の肥満増大の進行と糖尿病をを食い止めるために、迅速な身体活動促進手段が講じられる必要があると勧告している。
約18年以上の期間にわたって、研究者らは20〜80歳の中国人で空腹時血糖異常(IFG)のあるもの44,828人の生活習慣を調査し続けてきた。IFGは、今や中国では4人に1人が罹患するとされる2型糖尿病の初期警告サインであると考えられている。LTPAレベルが高ければ高いほど、糖尿病リスクが低下するということがIFGのある成人でも見られる事が、研究者らによって明らかにされたのである。
WHOの推奨する身体活動量基準を満たすことで、5人に1人の糖尿病症例は予防可能である、という。中国にはIFGのある成人が3億7000万人はいると考えられ、例えばLTPAの低強度運動カテゴリですら少し増進させる事によって、700万人分の糖尿病発症を抑止できる可能性があるようだと言うのだ。さらに高齢化や肥満の進行によって急速に増大している糖尿病罹患者数も低下することが期待できるのだ。
実際のところ、4分の3を超える中国成人が、健康効果を期待するのに十分な身体活動量を確保していないというのが現状である。本研究の知見は、できるだけ早く身体活動量を増進させるような方策を講じることが、疾病予防の観点からも重要であることを強調するものである、と研究者は指摘する。
中国全土(香港、台湾を含む)、では1億1,200万人の糖尿病患者がいると言われ、60歳以前での早死の中で40〜60%が糖尿病によるものと推算されているだけでなく、少なくとも510億米ドル(5.48兆円)程度の医療費による経済的影響をもたらしていると考えられている。
出典は『英国スポーツ医学雑誌』。 (論文要旨)
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