2018.2.26
, EurekAlert より:
健康問題に対する恐れはヒトを捉えて放さないが、ほんの少しの希望をメッセージに加えることで、人々が予防的行動を志向するようになるようだ、という米国ペンシルバニア州立大学からの研究報告。
研究チームは、2件の研究で、希望と自己効力感が、皮膚がんに立ち向かう行動(日焼け止めや防御服)を起こそうとする意志の有意な予測因子であることを発見した。
第一の研究では、17-72歳の341名がクラウドソーシングマーケットプレイスであるAmazon Mechanical Turk(アマゾンメカニカルターク)を通じて集められた。参加者は、健康サイトWebMDと同じデザインのウェブ上の皮膚がんについての記事をレビューし対応した。
記事は3つのセクションに分かれ、各々「だれでも皮膚がんになるの?」「皮膚がんは恐ろしい病気?」「皮膚がんを予防するにはどうしたら良いの?」と題されていた。
参加者はそれを読んだ感想を報告した。、研究チームは、希望や楽観的な見通し、奨励のような感情や自己効力感の強さが、日光からの防御行動を実行する有意な予測因子であることを発見したという。
第二の研究では、大学生382目を対象に、悪性黒色腫啓発ビデオを見せ、一連の質問に回答してもらった。さらに1週間後に実行した皮膚がん予防行動についての追跡調査を実施した。
その結果、希望は日光からの防御行動を実行する上で大きな役割を握っていることがわかったという。
「健康メッセージを教えるだけでは十分ではなく、動機づけが必要であり、感情は予期モチベーターである」と主任研究者のジェシカ・マイリック准教授は語っている。「我々はしばしば感情は不合理なものだと考えるが、我々の研究が示唆しているのは、感情は健康行動を保つ助けになるということである。それゆえ、様々なメッセージについての感情を広い範囲で理解することが重要になるのだ。」
出典は『健康通信』。 (論文要旨)
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