2018.2.22
, EurekAlert より:
アルコール使用障害は、全種類の認知症、とりわけ早期発症認知症の、最も重要な予防可能リスク因子であるようだ、という仏トランスレーショナル医療経済ネットワークからの研究報告。
本研究は特にアルコール使用障害の影響について、慢性の有害なアルコール使用に起因する精神的及び行動的障害や慢性疾患と診断された人々を含む大規模調査を行ったものである。仏全土の病院において2008年から2013年にかけての31,624,156名の受診者のデータが分析された。うち認知症と診断されたのは1,109,343名であった。
早期発症認知症(65歳未満)の57,353例のうち、57%が慢性の重度飲酒に関連していたという。
WHOでは、男性で1日平均60g以上、女性で40g以上の慢性アルコール摂取を重度飲酒と定義している。
主任研究者のユルゲン・レーム博士は、アルコール使用障害が平均して20年以上平均寿命を短縮し、認知症はそれらの人々の主要な死因の一つであると指摘している。
早期発症型認知症には有意な男女差が認められ、認知症患者の大半は女性であったが、早期発症認知症の患者の64.9%が男性であった。
研究チームは、重度の飲酒のスクリーニングを定期的な健康診断の一部に組み込み、必要な介入・治療を行うべきであり、一般集団における重度飲酒を減らすための方法を熟考すべきである、と結論づけた。
出典は『ランセット公衆衛生』。 (論文要旨)
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