2018.2.21
, EurekAlert より:
低脂肪ダイエットと低炭水化物ダイエットの減量効果と参加者の遺伝子パターンやインスリン分泌との関係を調べた結果、減量効果に有意差はなく、遺伝子やインスリンとの関連もみられなかった、という米国スタンフォード大学からの研究報告。
研究チームは、DIETFITSランダム化臨床試験において18-50才の糖尿病ではなくBMIが28-40の609名を対象に、2013年1月から2015年4月にかけて介入試験を実施し、その後2016年5月まで追跡調査した。参加者はランダムに、健康的な低脂肪食(HLF)群と健康的な低炭水化物食(HLC)群に振り分けられ12か月間それを実行した。参加者はまた、3つのSNPおよびインスリン分泌能を測定された。
介入では、健康教育者が、各々の群に行動変容を起こさせるために、22回の食事特異的小グループセッションを12か月間に実施した。セッションは、長期にわたって食事の質は維持しながら、脂肪もしくは炭水化物の摂取を最も抑えるための方法に焦点が当てられた。
12か月間の平均的な三大栄養素の摂取比率は、HLF群対HLC群で、炭水化物が48%対30%、脂質が29%対45%、たんぱく質が21%対23%だった。
介入の結果、12月で、HLF群で平均-5.3kg、HLC群で平均-6.0kgの体重変化が観察されたが、両群間には有意差が見られなかった。また、食事と遺伝子パターン、または食事とインスリン分泌能と、12か月間の体重変化の間にも有意な関連は認められなかったという。
18件の有害事象が報告されたが、これも両群に均等に分かれていた。
筆頭研究者のクリストファー・ガードナー教授によれば、本研究結果の最大の収穫は、減量においては低脂肪食も低炭水化物食でも、その基本的な戦略が類似していた点であるという。砂糖を減らし、精製穀類を減らし、野菜を可能な限りたくさん食べる。加工度の低い食品(Whole foods)を、それが小麦粒サラダでも牧草生育ビーフの違いはあっても、主に食べるようにする。「どちらのダイエットでも、最も体重を減らした人々が語っていたのは、我々の教育が食品と彼らの関係を変える助けになったということ、そして彼らがどのように食べるかについてもっとよく考えるようになったことだったという」とガードナー教授は語っている。
出典は『米国医学会誌(JAMA)』。 (論文要旨)
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