2018.2.21
, EurekAlert より:
わずか4か月、高用量のビタミンDを摂取するだけでも肥満でビタミン欠乏の若者の動脈硬化は減少できるようだ、という米国オーガスタ大学ジョージア予防研究所の研究。
動脈硬化は心臓血管に関連する病気や脂肪の独立した予測因子であり、ビタミンD不足がその一因になっているようだ、と主任研究者のヤンビン・ドン博士は話している。
過体重・肥満の黒人はビタミンD不足に陥るリスクが高い。というのも、濃い色の皮膚ほど日光を吸収しにくいためだ。皮膚は日光を浴びることでビタミンDを合成するので、日光の吸収量が少なければビタミンD合成量もそれに応じてしまう。また、理由は不明だが、脂肪はビタミンDを封じ込めてしまうのだとドン博士。
今回対象にしたのは、「骨の健康のためにどの程度のビタミンが必要か」を検討するため、様々な用量のビタミンを服用する研究に参加している13-45歳のアフリカ系米国人のうち、動脈硬化のある70人で、研究開始時点と16週間後のデータを見た。この種の研究では初めての無作為化試験であると思われる。
対象者はランダムに4群に分けられ、毎日600IU、2000IU、4000IUのビタミンDかプラセボを16週間にわたって摂取した。
その結果、最高用量の4000IUを毎日摂取した者は、16週間で、動脈硬化が10.4%低下した。この用量は、安全と思われる上限であるという。
2000IUを摂取した者では、2%の低下が観察されたが、600IUを摂取した者では、わずかな上昇(0.1%)が観察され。プラセボ群では、2.3%の上昇が観察された。
「動脈が硬くなると、脈波伝播速度が速くなり、将来心筋代謝性疾患のリスクが高まる」と筆頭研究者のアナス・ラエドは語っている。
出典は『プロスワン』。 (論文要旨)
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