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[その他]  人々がボトル入り飲料水を購入する理由
2018.2.19 , EurekAlert より:   記事の難易度 2
  

環境負荷などの懸念から、ボトルウォーター(ペットボトル入り飲料水)に反対するキャンペーンが続いているにもかかわらず、ボトルウォーターの購入は増加しており、このような行動は、社会心理学の脅威管理理論で説明できるようだ、というカナダ、ウォータールー大学からの研究報告。

調査によると、ボトルウォーターの広告キャンペーンの多くは、人々の深層心理の弱みをついており、人々に特定の製品を購入して消費するように強いているという。ボトル入りウォーターの広告は、特に、カナダ人が毎年数十億リットルの水を購入するように、潜在的な不安を引き起こしている。

「ボトル入りウォーターの広告は、2つの重要な点で、私たちに最大の不安を与える」と著者のステファニー・コテは述べている。「死の不安から、私たちはリスクを避けたいと思っているが、多くの人々にとって、ボトル入りの水は、どういうわけか、より純粋で、管理されているように見えるようだ。」

ユーロモニターのレポートによると、2013年にカナダ人はボトルウォーター24億リットルを購入した。2018年には、ボトルウォーターに反対する活動的なキャンペーンが続いていたにもかかわらず、30億リットル(カナダドル(CAD)33億ドルに相当)の購入に増加することが見込まれている。

この研究では、社会心理学の脅威管理理論(TMT)が用いられた。研究者らは、人々が、死に対する意識的な不安と無意識的な不安を抑圧しようとすることで、消費選択、富の蓄積、安全な状態の選択などの行動に影響を与える特定の防御が生まれると主張している。

研究チームは、ボトルウォーターキャンペーンと広告、ウェブサイト、写真、暗黙的および明示的な意味を明らかにしたビデオの内容から抽出したデータを分析した。研究者らは、ボトルウォーターに反対するキャンペーンが、企業によるボトルウォーターメッセージングと競合することで、どのような問題が生じるかということも調べた。

「この研究では、企業のキャンペーンが、身体的な外見、健康レベル、物的あるいは経済的資産、クラス、地位などによって、個人の価値を評価する人々には魅力的にみえることが示唆された」と著者のサラ・ウルフは述べている。「ボトルウォーター推進の広告は、グループのアイデンティティや愛国心につながるブランド、有名人、幸福感に大きく依存している。市民やNGOが、地方自治体の飲用水システムの利点を広めれば、感情を動かし、単に財政的、倫理的、環境的な利点以上のことを語るという新しい戦術を使う必要が出てくるだろう」

出典は『応用環境教育及コミュニケーション』。 (論文要旨)      
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