2018.2.15
, EurekAlert より:
食事中の超加工食品(高度に加工された食品)の割合が増加すると、がん全体のリスクが増加、乳がんのリスクが増加するようだ、というパリ第13大学等からの報告。
超加工食品には、焼き菓子(パッケージされたクッキーやマフィン等)、スナック、炭酸飲料、甘味付けされたシリアル、調理済み食品、成形肉などが含まれ、砂糖、油脂、塩が高割合で含まれ、ビタミン、食物繊維は不足している傾向がある。いくつかの先進国では、毎日のエネルギー摂取の最大50%を占めると考えられている。
先行研究では、超加工食品と肥満、高血圧、コレステロール濃度との関連が示唆されているが、摂取と疾病リスクとの関連を示すエビデンスは、不十分であったという。そこで、研究者らは、超加工食品の摂取とがん全体(乳がん、前立腺がん、結腸直腸がんも含む)との関連を調査した。
NutriNet-Santeコホート研究において、健康なフランス人成人104,980人(男性22%、女性78%)(平均年齢43歳)で、少なくとも2日間の24時間オンライン食事アンケート(異なる食品3,300種類について通常の摂取量を測定するようにデザインされている)を完了している者を対象にしている。食品は加工の程度より分類され、がん発症は、平均5年以上追跡され、医療記録、国のデータベースによって妥当性が証明された対象者の申告から同定された。年齢、性別、教育レベル、がんの家族歴、喫煙状態、身体活動レベルなどがんの既知のリスク因子で調整を行なった。
結果は、食事中の超加工食品(ウルトラ加工食品)の割合が10%増加すると、がん全体のリスクが12%増加、乳がんのリスクが11%増加したという。前立腺がん、結腸直腸がんに関しては、有意な関連性が認められなかった。加工度の少ない食品(缶詰野菜、チーズ、新鮮で包装されていないパン等)とがんのリスクについては、有意な関連性は認められなかった。一方、生鮮品、最小限の加工食品(果物類、野菜類、豆類、米、パスタ、卵類、肉類、魚類、牛乳)は、がん全体および乳がんの低リスクと関連していた。
出典は『英国医学雑誌(BMJ)』。 (論文要旨)
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