2018.2.14
, EurekAlert より:
余暇時間に活発に身体を動かすことがより良い肺機能を喫煙習慣のすでにある人であったとしてももたらしうる可能性があるようだという研究、バルセロナ国際健康研究所の研究者らによって報告されている。
本研究はインペリアルコレッジロンドンが中心となって、欧州11ヶ国25機関で実施された欧州呼吸器健康調査(ECRHS)研究のデータをもとに検討された。10年以上の期間にわたって、27〜57歳の成人3,912人を対象に調査されている。これらの対象者は週当たり2回以上、かつ1時間以上の時間、運動を行う習慣があると考えられる活動的な成人であった。
身体活動性と肺機能の間の関連性が明らかであったのは現在喫煙習慣がある人で、この事はつまりすでに炎症性傾向に関連した生物学的メカニズムが存在していうることを示唆するものだ。つまり、現在喫煙習慣がある人にとってこそ、肺機能低下のリスクが高いグループであり、また身体活動を行うことの重要性が強調されるべき群ということになる。
本研究ではさらに、研究終了時点で活動的であった対象者は、研究を開始してから活動的になったか、もともと活動性が高かったかにかかわらず、不活動状態が習慣的にある人に比べて肺機能が高いことが明らかになっている。この事の背景にあるものの一つの可能性のある説明としては、この結果が身体活動性の改善によって呼吸筋群の持久性および筋力の高まりが短期的もしくは中期的な効果をもたらしている可能性があると研究者は指摘する。これらの運動は持続的な身体活動が要求され、さらにそれを一定時間維持する必要があるからである。
本研究の知見は、これまでの疫学的研究で明らかにされてきた呼吸器健全性と身体活動の間の知見を補強するものであり、その根拠は、身体活動を促す様に働きかける事が、中年期以降は特に呼吸器系の健全性をもたらすという公衆衛生上のメッセージを送るものとなっている、と研究者はまとめている。
出典は『胸部』。 (論文要旨)
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