2018.2.5
, EurekAlert より: 
なんでも控え目に食べることが減量に役立つ、とよくいわれるが、それよりも、健康的な食品を選択をする方が結果的に摂取カロリーが少なくなるようだ。米国ペンシルベニア州立大学の研究。
この新たな研究においては、様々なポーションサイズ(1人前の盛付量)で食事を提供された場合に、被験者がどのくらい食べるかを量った。被験者の約1/3は、それ以前の1年間に渡って食べ物の一人前の適量についてのトレーニングを、減量実験の中で受けていた。にも関わらず、被験者全員が一人前以上を食べたという。
ただ、トレーニングを受けた被験者は、それ以外の被験者と同じ量を食べていたものの、より健康的な食べ物を選択しており、結果として総摂取カロリーは少ない傾向にあった。
「この結果は、健康的でカロリー密度の低い食べ物を選ぶことは、高カロリーで量の多い物を我慢しようとするよりも効果的かつ持続可能なのです」著者で大学院生のズライカト氏は話している。「もし、カロリー密度の高い食べ物を選んで食べる量を抑えようとすると、一人前はあまりに少なく、空腹を感じてしまうでしょう」
先行研究では「ポーションサイズ効果」の力を示している。これは、多めのポーションサイズで提供されたとき、人はたくさん食べてしまい、結果として意図していたよりも多くのカロリーを摂取してしまうという傾向だ。
研究者らは、この効果を打ち消すのを助けるために介入研究を計画し、被験者たちは一人前の適量や、より健康的な食事法についてトレーニングを受けた。ズライカト氏らのチームは、このトレーニングがポーションサイズをコントロールするのに有効かどうかを確かめたいと考えていた。もし、多めの量が提供された場合、トレーニングを受けた人の反応が、受けていない人と異なるかどうか、またトレーニングを受けていない人はその体型によって反応に違いがあるのかについても確認しようとしたという。
今回の研究では、女性を対象に以下の3群に分けた。 1.過体重群(34名) 2.普通体重群(29名) 3.トレーニング群(盛付量のコントロールに力を入れた減量試験に1年間参加した人・39名)
被験者は全員、4週に1回研究室へ来てもらい、その際に同じ食品7種類から成る食事を、ただし週ごとにランダムにポーションサイズを多くして提供した。食事の内容は、カロリー密度の高い食品(ガーリックブレッドなど)と低い食品(サラダなど)とした。なお、それぞれの被験者の食べた量を把握するために、食事の前後で食品の重さを量り、それを基にカロリー摂取量を計算した。
すると被験者たちは、多めの量を提供されると、3群いずれでもより多く食べていた。たとえば、ポーションサイズが75%増加すると、摂食量は27%増えた。しかしながら、トレーニング群はそれ以外の群よりも総摂取カロリーが少なかったという。
3群全ての食べた重量は同じであっても、トレーニング群は、カロリー密度の低い食品を多めに、高い食品を少なめに食べていた。それゆえ、トレーニング群の総摂取カロリーはそれ以外の群より少なくなった訳だ。なお、非トレーニング群は体重の状態に関わらず摂食量は同じだった。
「今回の結果は、『高カロリー食品を控えめにし、栄養豊富な低カロリー食品を多めにする食べ方は、カロリーを抑えて食べる際に空腹をしのぐことに役立つ可能性がある』という考え方を支持しています」などとロールズ教授は話している。
出典は『食欲』。 (論文要旨)
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