2018.2.5
, EurekAlert より:
染色体の末端にあるテロメアを若く(長く)保つことに関連する遺伝的マーカーを発見するために9,907人の遺伝子を解析した、という米国カリフォルニア大学、ボストン大学などからの、研究報告。
DNAメチル化年齢は、時間的な年齢と寿命を予測するバイオマーカーであるが、その分子メカニズムはハッキリしていない。
研究チームはゲノムワイド関連解析(GWAS)によって、5番染色体上の、内因性エピジェネティック加齢促進(IEAA)に関連する5つの遺伝子座の遺伝子変異と、外因性エピジェネティック加齢促進に関連する3つの遺伝子座の遺伝子変異を発見した。
IEAAで加齢を促進する5番染色体上のテロメラーゼ逆転写酵素(TERT)遺伝子の変異は、逆説的なことに、より長いテロメアに関連しており、TERTが、細胞複製に起因するテロメア短縮を補償する確立された役割に加えて、エピジェネティック時計の制御に重要であることを示唆している。
「我々は以前の研究で記述したエピジェネティック時計法を用いて各人のエピジェネティック加齢速度を計算した。次に、エピジェネティック加齢速度に関連する数百万SNPを全染色体にわたって検索した。そして極めて有意な変異をもつ遺伝子座を見つけた。そのひとつがTERTだったが、我々の研究は特にテロメアの長さに関するものではなかったので驚きだった。TERTはテロメラーゼ酵素の1サブユニットで、抗加齢酵素として有名だ」と共同研究者のダグラス・キール医師は語っている。
出典は『ネイチャーコミュニケーション』。 (論文要旨)
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