2018.2.2
, EurekAlert より:
最近発表されたユバスキュラ大学の研究で、高齢者の居住する近隣の自然環境と身体活動性の間の関連性が指摘されている。ウォーターフロント地域は高齢者で歩行困難性を有する者が屋外で身体を動かしていくのに適した地域であるようだ。また、ヒトの歩行運動能力が高い場合、色々な自然環境のある地域が高齢者の身体活動を促すのに有益であるようだという。
歩行困難のある高齢者に対して、ウォーターフロント地域が存在する場合や近隣環境の陸地利用が多様な環境を提示した場合には、そのような環境でない場合に対して身体活動性がより高くなりそうだと報告されている。高齢者で歩行困難性が無いものでは、居住環境がより多様性に富んでいる場合により身体活動性が亢進しそうだという。自然環境と歩行能力がこの様に関連性を示していることから、身体活動性に障害が出て来た場合にはこの様な環境刺激をもたらすことが有効である可能性があるというのだ。
全般的に言って、歩行困難性の有無にかかわらず、水際地域や多様な地形のある環境に居住している場合には、屋外での活動性を促進する因子となり得るのだという。これらの知見に基づいて、高齢者の屋外での活動性を勘案することが有益であって、居住環境を計画していく可能性が広がっていくのである。
本研究では848人の地域居住高齢者(75〜95歳)を対象に検討をおこなった。対象者はユバスキュラ地域をはじめとしたフィンランド中央部の自治体に居住していた。さらに対象者は自己回答性の歩行能力に応じて、500mの歩行で困難を感じるかどうかで2グループに分割された。居住環境因子については、対象者の住宅から500m、1,000mの範囲での地形環境をもとに検討をおこなっている。
出典は『地域と健康』。 (論文要旨)
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