2018.2.2
, EurekAlert より:
ビタミンDのサプリメントは、痛みを伴う過敏性腸症候群(IBS)の症状を緩和するのに役立つ可能性があることを見出した、という英国シェフィールド大学からの研究報告。
過敏性腸症候群(IBS)は消化管の衰弱性機能障害であり、英国の10人に2人がIBSに罹患しているという。食生活やストレスがIBSに影響を与え、症状を悪化させることが知られているが、症状がなぜ発症するのかについてはほとんど知られていないという。
研究チームは、ビタミンDとIBSに関する利用可能なこれまでのすべての研究報告について検討した。そして、どの民族でも、IBS患者では、ビタミンD欠乏症が高い割合で認められることを見出した。
研究者らは、ビタミンDサプリメントがIBSの症状に与える有効性を評価した。その結果、腹痛、腹部膨満、下痢、便秘などの症状を緩和するのに役立つことが示唆された。ビタミンDはIBS患者の生活の質(QOL)を良くするために、最も効果的であることもわかった。 「IBS患者はビタミンD濃度を検査するべきである。IBS患者の多くが、サプリメントの恩恵を受けるだろう。」と主任研究者のバーナード・コーフ博士は述べている。 ビタミンDは、骨の健康、免疫機能、メンタルヘルス、腸の健康など、健康に必須である。また、低ビタミンD状態は結腸直腸がんのリスクと関連しており、炎症性腸疾患に関与していることが知られている。
ビタミンD欠乏症は、診断がつけば、サプリメントで比較的容易に改善できるだろう。
出典は『欧州臨床栄養学雑誌』。 (論文要旨)
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