2018.2.1
, EurekAlert より:
葉酸の許容上限摂取量は必要ないようだ、というクイーン・メアリー大学等からの報告。
無脳症と二分脊椎は、最も頻度が高く、重篤な先天奇形の2つである。 多くの症例は、妊娠直前、妊娠初期に、充分な葉酸摂取により、防げる可能性が示唆されている。結果、1998年以降、米国を含む81カ国が、穀物に対する強制的な葉酸強化を導入したが、有害性のエビデンスは一切ない。強化を導入した国では、神経管欠損の数は半分まで減少した。
継続的な推奨があるにもかかわらず、英国では強制的な強化を導入していない。理由として、米国医学研究所(IOM)によって提案された「上限値」を上回る葉酸摂取量を有する人々の増加をもたらす可能性があるからである。IOMは、主に半世紀前に実施された研究の結果を分析し、高用量の葉酸で治療された患者で、神経性損傷が、より頻繁に起こる傾向があると主張した。IOMは、高用量の葉酸で、ビタミンB12欠乏症の患者を治療すると、神経性損傷のリスク増加に至る可能性があると結論した。しかしながら、今回の研究では、「IOMの研究には、問題があり、上限値設定は必要ない」と示唆されたという。
今回の結果は、葉酸の投与量と神経学的損傷の発症には関係がみとめられず、許容上限摂取量は不必要であるという、葉酸強化に対する不当な懸念を和らげる知見となっている。
出典は『公衆衛生レビュー』。 (論文要旨)
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