2018.1.24
, EurekAlert より:
初潮の時期が早いと(12歳以前)、後年の心疾患、脳卒中のリスクが増加するようだ、というオックスフォード大学等からの報告。
先行研究では、特定の生殖危険因子が、心疾患、脳卒中リスク増加との関連性を示唆しているが、結果は、はっきりしていないという。
今回の研究では、研究チームは、潜在的関連を明らかにするために、英国Biobank(2006年から2010年に召集された男女50万人以上(40歳から69歳)の大規模住民ベースの研究)のデータを使用している。ベースライン時、心血管疾患の既往のない女性267,440人と男性215,088人を対象とした。7年間のモニタリング期間中、心血管疾患は9,054例(うち女性34%)、冠動脈疾患は5,782例(女性28%)、脳卒中は3,489例(女性43%)であった。
結果は、潜在的影響因子で調整後、12歳以前に初潮が始まった女性は、13歳以上だった女性より、心血管疾患のリスクが10パーセント高かったという。同様に、他の潜在的に影響力のある因子で調整後、閉経が早いと(47歳以前)、心血管疾患リスクが33パーセント、脳卒中リスクが42パーセント高かった。子宮摘出は、心血管疾患(12%)、心疾患(20%)リスク増加と関連した。子宮摘出前に卵巣を摘出した女性は、卵巣を摘出していない女性と比し、心血管疾患発症が2倍であった。第一子出産年齢は、1歳年齢が上昇するごとに、心血管疾患のリスクがおよそ3パーセント減少した。
しかしながら、子供の数と心血管疾患の間の関連は、男性と女性で同様の傾向を示し、社会的、心理的、行動的要因が、生物学的要因よりも、重要である可能性を示唆した。
「生殖周期が早い、閉経が早い、子宮摘出術の既往のある女性では、より頻繁な心血管スクリーニングが賢明なようである。心血管疾患の発症の遅延、予防に役立つ可能性がある」と研究者らは、助言している。
出典は『心臓』。 (論文要旨)
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