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[運動]  サイクリングは男性の性機能や泌尿器機能を損なわない
2018.1.24 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

通勤や身体活動の方法として、またレジャーとしてのサイクリング利用は増加しつつあるが、同時にその男性の性機能への影響や泌尿科器への影響についても注目されてきた。以前の研究では何らかの悪影響をもたらす可能性が指摘されていたが、新しい研究によると、余暇的サイクリングであっても競技サイクリングのような高強度のものであっても、男性の性機能や泌尿器に対する悪影響はもたらさないようだ。UCSFの研究者らによって報告されている。

本研究はこれまでに行われている比較研究の中でも最大規模の研究であり、サイクリング運動と路面状況の関連性を性機能及び泌尿器機能との関連性から検討したもので、標準化されたアンケート調査に基づいて検討されている。

研究者らは、結果についてサイクリング愛好家に対して安堵を与えるものであろうと予想していた。サイクリングによって循環器系統の身体機能に卓越した健康効果がもたらされるほか、下肢の関節に対する負荷も低いということがわかっているのだ。そのため、サイクリングによる様々な副作用は、安全に利用されている場合であれば、健康効果が大幅に上回ってしまうことを予想していたのである。

これまで、男性の性機能に対するサイクリングの悪影響を指摘する研究がいくつか存在している。これらで提示されていた仮説は、サイクリングによって会陰部に長時間の圧力がかかる状態が発生することと、微小な内出血などの損傷がこれらの部位に起こることで勃起機能を損ねてしまう可能性があると指摘されていたのである。しかしながら、これまでの研究では対照群を設定して比較研究を行ったものではなく、サンプルサイズも小規模に限定されていたのだ。

本研究は多国籍間研究で様々な運動競技者を対象に行われている。参加者の中にはサイクリストや水泳、ランナーなどが含まれていて、SNSを通じて試験広告が行われ、スポーツクラブやアスリート本人に対するアウトリーチが成されて実現した研究だ。参加者はそれぞれで2,774人のサイクリスト、539人のスイマー、789人のランナーで構成されている。これらの調査対象者は標準化されたアンケートに回答した。アンケートには男性性的健康度調査(SHIM)、国際前立腺徴候スコア(I-PSS)、NIH前立腺徴候インデックス(NIH-CPSI)が含まれており、尿路感染症に対する質問や、尿路閉塞性、生殖器不感症、会陰部炎症性などについても質問されていた。

会陰部に対する圧力の有無による競技間差異について検討していることに加えて、サイクリング運動強度、自転車の形状、路面状態などが性機能や泌尿器機能に影響を与えている可能性についても検討された。サイクリストたちはバイクタイプ、サドルタイプ、サドル角、サイクリング時の会陰部保護パッド付きショーツ利用の有無、立ちこぎ時間の割合、バーハンドルの高さ、路面のタイプなどについて細かく質問されている。さらにサイクリストは高強度運動群(過去2年以上にわたって週当たり3回以上、1日平均で25マイル=約40.23kmの走行)群と、低強度運動群(高強度運動の基準にどれも合致しないサイクリスト)に分けられている。非サイクリスト群(対照群)はスイマーとランナー(両方をやっている場合もあり)で、定期的にはサイクリング運動を行っていない群である。

スイマー及びランナーと比較した場合、一般的に言って、サイクリストの性的機能と泌尿器系の健康性はほぼ対等であった。ただし、サイクリストにおいては尿路閉塞性が高まる傾向があるものがいたということだ。面白いことに、高強度運動群でより勃起機能スコアが低強度運動群に比べて高かったという。自転車タイプや路面状況のいずれもサイクリストに対して悪影響をもたらしている傾向は見られなかった。サイクリング中の立ちこぎ時間が20%を超えている場合には性的不感症オッズが低下した。ハンドルバーの高さがサドルの高さよりも低い場合を統計的に調整しても、性的不感症の発現割合が増加したり、サドル部炎症が増加したりする傾向が高まることはなかった。

今後、性的不感症を訴えている群において、将来的にこれらが問題に繋がるような予見因子となり得るかを継続的に検討して行くということである。

出典は『泌尿器学雑誌』。 (論文要旨)      
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