2018.1.17
, EurekAlert より:
乳がん検診は、乳がん死亡率の低下にほとんど影響がなかったという、フランスにある国際予防研究所からの研究報告。
オランダでは、1989年から50-75歳の女性に、乳がん検診を2年ごとに実施している。1997年に70-75歳が対象に加えられ、2006年からはデジタルマンモグラフィーが導入されている。
国際予防研究所の研究チームは、1993年に検診プログラムの評価を発表し、1989年から1997年にかけて進行がんの罹患率がゆるやかに低下していることを示唆している。
今回研究チームは、1989年から2012年までのオランダ女性におけるステージ別の乳がん発症率を更新し、検診により予防できた死亡者数と、過剰判断の人数を推定した。
その結果、研究者らは、乳がん検診によって、24年後に50歳以上の女性における乳がん死亡率が0-5%低下したことを発見した。一方で、治療の改善による死亡率の低下は28%であった。
さらに、研究者らは、70-75歳の女性に検診を行ったこと、またデジタルマンモグラフィーを導入したことで、小さい腫瘍を発見することができるようになったたことによる過剰診断についても言及している。2010-12年にスクリーニング検査を受けた女性のうち32%にがんが見つかったが、59%は過剰診断であったという。
研究者らは、オランダの乳がん検診の効果は、小さいと結論付けた。
出典は『英国医学雑誌(BMJ)』。 (論文要旨)
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