2018.1.15
, EurekAlert より:
専門家によれば、高齢者で身体活動量が不足していると、加齢による脆弱性や健康状態の悪化を招くといわれている。公式的なガイドラインによれば、高齢者は少なくとも週当たり2.5時間の中強度活動(早歩きによるウォーキングなど)、もしくは少なくとも週当たり1.25時間の高強度身体活動(ジョギングやランニングなど)を行うべきであるという。
残念ながら、高齢者の多くが中〜高強度の運動をどの程度でも実施することができるというわけではないのが現状である。研究者らは、63〜99歳の高齢の女性6,489人を対象に、運動がどのように健康に影響を与えるのかについて検討を行った。
参加者は、家庭での測定試験やアンケートへの回答、携帯型加速度計の装着に同意した。さらに、参加者は睡眠記録も付けた。
研究開始時点においては、大多数の対象者は70代後半であり、BMIでみるとその多くが過体重であった。また、30%近くの対象者は肥満であった。
結果、大多数の対象者は、最大12ポイントの身体機能アセスメントスコアにおいて、8.2ポイントを記録していたという。加速度計の指標から、1%の者が低いレベルの低強度運動を行っていた。29%の者は高レベルの低強度運動を行っていた。15%の者は、中〜高強度の身体活動を行っていた。
身体活動性レベルに応じてこれらの女性参加者の死亡数を検討したところ、身体活動レベルが低かった者に比べて、より高レベルの身体活動性を示していた高齢女性ほど全ての要因による死亡率がより低下していることが明らかとなった。
高齢女性がり多くの量の身体活動を低強度運動であっても行う事を日常生活の中で増やし、また座りがちな時間を減らして行くことが推奨される、と研究者はまとめている。
出典は『米国老人医学会雑誌』。 (論文要旨)
|