2018.1.11
, EurekAlert より:
魚を頻繁に摂取することは、睡眠障害が少ないこととIQスコアが高いことと関連しているようだ。米国ペンシルベニア大学からの研究報告。
魚の摂取が比較的多いことは子供の認知の改善と関連しているが、仲介経路は明らかではない。睡眠の向上は、魚の摂取と認知機能改善との関連を媒介するもの(橋渡しするもの、メディエーター)の候補になる可能性がある。
本研究では、1)魚をより頻繁に摂取することが、睡眠障害が少なくなり、IQスコアがより高くなることと関連するかどうか、2)そのような関連が、社会的および経済的な要因によって説明されないかどうか、3)睡眠の質が、魚の摂取とIQの関連を媒介するかどうかを評価した。
このコホート研究では、中国の生徒541人を対象として、9-11歳において魚の摂取と睡眠の質を評価し、12歳でIQを評価した。魚を頻繁に摂取することは、睡眠障害が少ないこととIQスコアが高いことと関連していた。魚をほとんど食べなかった者と比較して、魚を摂取した子供のIQスコアは高く、日常的に摂取している者では4.80ポイント、時々摂取している者では3.31ポイントであった。
睡眠の質は、魚の摂取と言語能力との関連を部分的に媒介するが、成績やIQは媒介しないことが判明した。この結果は、複数の社会人口統計学的共変量(親の教育歴・職業・配偶者の有無や、家庭の子供の人数など)を調整した後も、認められた。この研究は、魚を頻繁に摂取することが、睡眠障害の減少、つまり、睡眠の質の改善に役立つかもしれないことを示した研究として、おそらく初めての研究である。そして、睡眠障害が減少すれば、長期的にみて、子供の認知機能によい効果をもたらすだろう、と著者らは考えている。
出典は『サイエンティフィックレポート』。 (論文要旨)
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