2018.1.4
, EurekAlert より:
ホットティー(熱い紅茶)を一日一杯以上飲むと、緑内障リスクが低くなるかもしれない。ただし、冷たい紅茶やカフェイン抜きの紅茶、そしてコーヒーや清涼飲料水では同じ効果が期待できないとのこと。米国ブラウン大学の研究。
緑内障は、目の中を循環する液体が排出されにくくなることで過剰に蓄積された結果、眼球内の圧力(眼圧)が高くなり、視神経を損傷するもの。世界的に失明の主要な原因のひとつとされる。先行研究において、カフェインが眼圧を改良できることが示唆されているが、これまで、緑内障リスクに対して飲み物のカフェインの有無が影響するかについて比較した研究はなかった。
そこで、研究者らは2005-2006年の米国全国健康・栄養調査(NHANES)のデータを用いて、検討を行った。この調査は、米国が国民の健康・栄養状態を把握するため、成人と子ども計約1万人を対象に毎年行っているもので、その内容は聞き取り調査や身体検査、血液検査である。今回対象とした年には、緑内障に関する目の検査も行われていた。
結果、目の検査を完了した参加者1678人のうち84人(5%)は、緑内障だった。食物摂取頻度調査から、彼らが直近12か月間に飲んでいた飲み物のデータを見たところ、毎日ホットティーを飲む習慣のある人は、ない人に比べて緑内障リスクが低かった。様々な交絡因子によって調整しても、ホットティーを飲む人は緑内障リスクが74%低かったという。
ただし、このような関連性は、コーヒー(カフェイン有無にかかわらず)や、カフェイン無しのティー、アイスドティー(冷たい紅茶)や清涼飲料水ではみられなかった。なお、これは観察研究であるため、因果関係を認めることはできないほか、今回は対象者数も少なかった。また、対象者が緑内障と診断されたのはいつか、という情報も不明だったほか、茶の量や淹れる時間など、影響の考えられる要因についても調べていない。
とはいえ、茶は抗酸化物質を含み、抗炎症や神経を保護する作用のある物質を含んでいる。これらは、心疾患やがん、糖尿病などの深刻な健康状態のリスク低下と関係している、と研究者は話している。また、先行研究で、緑内障の発症には参加と神経変性が関与している可能性が示唆されているという。
出典は『英国眼科学雑誌』。 (論文要旨)
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