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  石見 佳子シニアアドバイザー が平成30年度日本栄養・食糧学会で学会賞を受賞

日本栄養・食糧学会の学会賞は、栄養科学または食糧科学に関する基礎的あるいは応用的学問分野において顕著な業績のあった研究者に贈られるもので、今年度は当研究所の石見 佳子シニアアドバイザーらが選出されました。

2018年5月11日(金)〜13日(日)に岡山コンベンションセンターにて行われた第72回日本栄養・食糧学会大会において、石見 佳子シニアアドバイザーは「骨代謝における食事と運動の有用性に関する研究」と題して学会賞受賞講演を行ったほか、表彰式にて賞状と盾を授与されました。
(当ページ下部に研究概要を掲載しています)
【骨代謝における食事と運動の有用性に関する研究】

国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所
シニアアドバイザー 石見 佳子

要約
 閉経期の女性においては、女性ホルモンが低下するため骨量が減少します。骨折や関節疾患は寝たきりの原因の約20%を占めることから、骨の健康維持はQOLの維持に直結します。石見シニアアドバイザーは、骨粗鬆症モデル動物及び閉経後健常女性を対象に、弱い女性ホルモン様作用を示す大豆イソフラボンと週3回、1回45分のウォーキングの併用が骨の健康維持に有用であることを明らかにしました。また、ニュージーランドとの国際共同研究でキウイフルーツが骨代謝指標を改善することを明らかにし、骨の健康維持に有用な食事メニューを提案しました。

研究概要
 骨組織は骨基質タンパク質にミネラルが沈着して構成されています。骨は生体のカルシウムの恒常性を維持するため、常に骨吸収と骨形成を繰り返して再構築されます。骨量に影響する因子としては、ホルモンや遺伝素因の他、食事、運動、喫煙、アルコール摂取といった生活習慣があげられます。中でも骨の健康を維持するための食事と運動は、ロコモティブシンドロームや骨粗鬆症の予防に重要な因子です。

 特に、閉経期の女性においては、女性ホルモンが低下するため骨吸収が骨形成を上回り、骨量が減少します。骨折や関節の疾患は寝たきりの原因の約20%を占めることから、骨の健康維持はQOLの維持に直結します。我々は、大豆イソフラボンが弱い女性ホルモン様作用を示すことに着目し、女性ホルモン欠乏による骨粗鬆症モデルマウスに大豆イソフラボンを混餌摂取させたところ、骨量減少が用量依存的に抑制されることが明らかになりました。健康影響評価では、骨粗鬆症モデルマウスにおいて骨量減少を抑制するイソフラボンの用量では子宮重量に影響せず、その10倍量で子宮に作用することが分かりました。

 一方、女性ホルモン低下や低栄養により、骨組織の荷重に対する感受性が低下することに着目し、大豆イソフラボンと走運動の併用効果について検討したところ、骨粗鬆症モデル動物において、両者の併用は単独に比べて有意に骨量減少が抑制されました。さらに、興味深いことにこれらの効果は、閉経後5年以内の健常女性においても確認されました。一方、ビタミンKの補給摂取が健常閉経後女性の骨代謝マーカーの改善に有用であることも明らかにしました。国際共同研究では、キウイフルーツの骨代謝における有用性を検討し、最終的には閉経期の健常女性の骨の健康維持を目的とした運動と食事メニューを提案しました。これらの研究により、閉経期女性の骨代謝における食事と運動の有用性の一端が明らかになったのではないかと考えます。最後にご指導いただきました先生方、共同研究者の皆様、研究に関与してくださった全ての皆様に心より感謝申し上げます。
2018年5月28日更新
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