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食物中のビタミンDとその活性化に要する時間について(再掲)
Requested and Answered by ゲスト on 21-Apr-2014 09:36 (3159 reads)
【質問】
食物中に含まれるビタミンDについて、お聞きしたい事があります。

食品より摂取したビタミンDは肝臓、腎臓を経て活性型ビタミンDとなり、これがビタミンD結合たんぱく質と結合して小腸や骨などに運ばれます。
そしてそれにより血中のカルシウム濃度の調節を行っていますが、では「摂取したビタミンD」が肝臓、腎臓で活性型ビタミンDになるのに、つまり活性化するまでにどれだけの時間を要するのでしょうか。

というのも、テレビ番組などで「カルシウムとビタミンDを一緒に摂取すると、カルシウムの吸収率が高まる」と紹介していたのを目にしたのですが、それにやや疑問を持ったのです。
カルシウム自体は小腸でそのまま吸収されますが、ビタミンDは一度小腸で吸収されてから活性化の道のりを歩み、それからやっと働ける「活性型ビタミンD」になるという風に私自身は勉強しました。
こういったタイムログがあるはずなのに、本当に同時摂取した時に「摂取したビタミンD」が「摂取したカルシウム」の吸収を高めるのでしょうか?

もちろんカルシウムの吸収については、その摂取する以前から体内に貯蔵されていたビタミンD、活性型ビタミンDで吸収率を高めるのでしょうが、そうではなく「同時摂取した場合」で考えた時に、本当に効果があるのか、と思ったのです。

そこでその足掛かりにと「ビタミンDの活性に要する時間がどれだけなのか」を自分なりに探したのですが、どうにも上手く見つからず、ここで質問した次第です。

どなたかご存知ないでしょうか?
もしもご存知ならば、是非教えて頂きたいです。
また、よろしければその根拠となる実験データや論文、その他文献をご提示して頂けますと後学にもなりますので、是非お願いしたいです。



【回答】
ビタミンDはご存知のように、皮膚で合成または食物から摂取され、肝臓で25(OH)Dに、そして腎臓で活性型ビタミンDである 1, 25(OH)2Dに代謝されてカルシウム吸収促進作用を示します。

活性型ビタミンDの合成は、血中のカルシウム濃度並びに副甲状腺ホルモン、そして活性型ビタミンD自身によって厳重に調節されており、カルシウムが不足していない健康な人では、ある一定の血中濃度を維持しています。

従って、通常の生理状態では、カルシウムと同時に摂取されたビタミンDは、肝臓で25(OH)Dに代謝されますが、腎臓では多くは24,25(OH)2Dという不活性型のビタミンDに代謝され、腸管でのカルシウム吸収にはほとんど関与しません。また、カルシウム欠乏の状態では、それがシグナルとなって副甲状腺ホルモンの分泌が高まり、血中の25(OH)Dからの活性型ビタミンDへの代謝が高まっていますから、活性型ビタミンDの血中濃度は上昇しており、これが摂取されたカルシウムの吸収に大きく貢献します。

このように活性型ビタミンDはビタミンというよりはホルモンに類似した代謝調節がなされており、単純に摂取されたものが直ちに活性型となってカルシウム吸収に寄与するものではありません。

石見佳子


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