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食事摂取基準の値が国によって異なるのはなぜですか? またRDAとRDIは同じものですか?
Requested and Answered by ゲスト on 05-Feb-2014 11:37 (4630 reads)
食事摂取基準研究室スタッフです。ご質問を拝見いたしました。

1.国による食事摂取基準値の違いについて
国による推奨量等の値の違いは、(1)策定方法の違い(出納試験か要因加算法か等)、(2)基準値策定に採用しているエビデンスの違い、(3)基準値の算出に用いた体位(体重、身長等)の違いによるものです。
(2)には、対象者、測定方法、採用したエビデンスの本数等、様々な理由が含まれます。日本人の食事摂取基準(2010年版)では、日本人のエビデンスを優先して用いています(日本人の食事摂取基準(2010年版)p.12)。(3)について、日本人の食事摂取基準(2010年版)では、日本人の体格(基準体位)で補正して基準値を算出しています。

食事摂取基準を策定する際には、世界中で進んでいる栄養に関する研究を集め(エビデンスの収集)、それぞれの研究結果について、専門家が内容を読み、まとめる作業を行い(エビデンスの系統的レビュー)、基準値を策定します。現在では、それぞれの国や地域で、このような仕組みの下、それぞれの国に応じた値の設定が進んでいます。しかし、上で述べたような???の違いにより基準値には違いが生じます。

 日本ではご存じのとおり5年おきに策定の改訂がなされていますが、諸外国を見てみると、定期的に食事摂取基準を改定している国は多くなく、”エビデンスの蓄積度”の具合に応じて、その時々で個別に栄養素の策定委員会がたち上げられ、該当する栄養素のみの値の改定がなされています。その点では、日本の食事摂取基準は、栄養と健康に関連する新しいエビデンスをいち早く取り入れた食事摂取基準ということができます。


2.国によって基準値の名称が異なる点について。
当研究室で把握している日本のRDA(Recommended dietary allowance)、アメリカ・カナダのRDA(Recommended dietary allowance)、イギリスのRNI(Reference nutrient intake)、オーストラリア・ニュージランドのRDI(Recommended Dietary Intake)、フランスのANC(Apport nutritionnel Conseille)、スカンジナビア(スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、デンマーク)のRI (Recommended Intake)は同じ概念です。
しかしながら、国によっては、推奨量という名前を使用しても異なる定義を用いている場合も否定できません。ご使用になられる際は、ご確認をしていただければと思います。Present Knowledge in Nutrition, Tenth Edition. ILSI, p.1114(*)に各国の概念の比較が掲載されています。

以上、ご参考になれば幸いです。

(*参考: https://ebis.nutritio.net/wordpress/?page_id=2217 )


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