センター概要

2017年4月ワクチン・アジュバント研究センター(CVAR)は、グローバルに展開している次世代ワクチン・アジュバントの革新的研究に加え、産学官の知恵を結集し、総合的に推進・支援する日本における研究開発拠点として国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所内に設置されました。革新的なワクチン・アジュバント開発に資する研究に加え、抗原製剤化、免疫評価系構築、臨床試験デザイン、副作用予測システムの開発につながる研究にも取り組んでおります。

センター長の挨拶

センター長 國澤 純

2017年4月ワクチン・アジュバント研究センターは、グローバルに展開している次世代ワクチン・アジュバントの革新的研究に加え、産学官の知恵を結集し、総合的に推進・支援する日本における研究開発拠点として国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所内に設置されました。

近年のワクチンの研究開発動向として、ワクチンは感染症だけでなく、アルツハイマー病やてんかん、高血圧、禁煙、肥満などに開発の対象が拡大している他、高価な抗体医療の代替として生体内で抗体を産生させるようなワクチンも開発の試みが始まっており、感染症に限定しない広義のワクチン療法の体系的な推進が求められるといえます。高度な生物製剤としてのワクチン製剤、アジュバントの開発に必須、もしくは非常に協力にサポートが可能な技術基盤、研究分野の研究部門が、医薬基盤・健康・栄養研究所には集約しております。病原体ごと、疾患別の研究機関、研究者クラスターは日本の各地に存在しますが、ワクチン、アジュバントのScience & Technologyではこのワクチンアジュバント研究センターが日本で有数の研究場所である、と将来胸を張っていえるようなセンターを目指したいと考えています。

一方で、ワクチン接種によって起こる副作用、とくにまれに起こるものに関する対策は喫緊の課題であるため、ヒトのサンプルを用いた臨床研究によるバイオマーカー探索、たとえば血清のプロテオーム、メタボローム、マイクロRNAの解析が有効と期待され、このような研究を「アジュバントデータベース」などを基盤にワクチンの安全性研究を進めていきたいと考えています。実際に副作用(副反応、有害事象を含む)に苦しむ患者がいる限り、この原因究明と医学的、経済的、社会的救済を真摯に続ける義務を我々は負っていることも肝に銘じて、近未来のワクチンを医学の貢献に生かして行きたいと考えていますので、皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

センター長國澤 純